吉田博 版画 「三保」 昭和10年(1935) 24.5×37.8 

吉田博 版画 「三保」 昭和10年(1935) 24.5×37.8 

白波と松原で知られる三保の海と富士山を組み合わせた名作です。富士を描いた吉田博の作品はいずれ劣らぬ名品で、それぞれに特色がありますが、この三保の富士は左から照らす陽光に白雪が輝く状況が実に見事に表現されており、霊峰富士の神々しさが見る人に感銘を与えます。
 余白左に「昭和拾年作 三保」とあり、余白下に鉛筆で「Fuji yama from miho」「Hiroshi Yoshida」と記されています。
 吉田博(1876-1950)は、明治期に洋画から出発し、次いで水彩画、木版画に移り、数々の名作を残したが、特に最後の木版画では、洋画の写実性と浮世絵の多色刷りを統合した複雑な革新的技法を開発して前人未到の精緻な作品を生み出した。普通の版画は一枚の版木で色別に数回摺るが、吉田の場合は、彫師を監督して版木を数枚から十数枚彫らせ、摺師は使わず自分で平均三十数回摺るという途方もない手間をかけた。そのため彼の版画には、写真と絵画を超える絶妙の魅力があり、英国のダイアナ妃を初めとして海外にも国内にも熱狂的なファンがおり、北斎・広重ち並ぶほど知名度が高い。彼の版画は手間がかかるので制作数が少ないため容易に入手できず、価格も非常に高くなっている。
 この「三保」は版木12枚を使い、摺りを40回重ね、この地点・この時刻で見られる富士山と三保の浦の独特の美しさを奥深く表現している。彼は北斎のように数々の富士作品を残したが、富士山の愛好者が多いので今日では市場に出ることが滅多にない貴重品です。

コンディション:余白上段の左と右に1ミリほどの穴があり、画面の右上にごく薄い汚れと折れ跡があります。その他は経年の薄いヤケがありますが、汚れ、シミ、傷みなどがほとんどなく全体的にきれいな状態です。裏面の四隅には台紙に貼られた跡が残っています(最後の画像参照)。
吉田博 版画 「三保」 昭和10年(1935) 24.5×37.8 

販売価格: 225,000円(税込)

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